塾長通信-3「バカは指摘をする」
その昔、学生の頃ですが、
グループで奥秩父の山々を軽登山していた時のこと。
私たちのリーダーは地図を片手に、山頂に至る
正しい道を探しあぐねていました。
そして、まずはじめに、
以前このルートを歩いたことのあるという
メンバーに聞きました。
「ここは東尾根だよ、今は外れてるから、
尾根道に上がらないと」
と言うので、その意見通り
それまで来た登山道を諦めて、
ガケを登りました。
ところがそこには、尾根道らしい痕跡すらなく、
私たちは落胆しました。
疲労してきた私たちは、それぞれ意見を言いました。
「そもそも今いる場所が分からないのが問題ではないか」
「ガケを急登したのが良くなかったのではないか」
「あのとき現在地を東尾根としたのが違っていたのではないか」
「地図の見方が間違っているのではないか」
「尾根道を探していてもラチが開かない」
私たちはそこから、夜通し歩き通して、なんとか、
山梨県側の県道にたどり着いたのでした。
・・・・・・・・・・・
今回、これを題材にしたのは、
切羽詰まったとき、我々は
起こった事実に対し、批判的な指摘を
無駄に行っていないか?
ということを、ふり返って欲しいからです。
もちろん、今お話しした遭難の一歩手前のような状況に
陥ることはそうはない、と思いますが、
会議で何かと批判ばかり言う人がいます。
これは、一見、積極的に意見を出して
いるように見えますが、
ただの時間の無駄でしかありません。
なぜなら、起こった事実を批判すること
くらいは、バカでもできるからです。
一番難しいのは、その打開策を
出せるかどうかです。
ただ、まだ批判的な人はこう言います。
「なぜ、起こったか分析できなければ、
つまり、原因がハッキリしないのに、
改善策など分からない」と。
しかし、そうでしょうか。
その考えている分析方法じたい、
本当に正しいのでしょうか?
そもそもそんなにすぐに思いつく
対策であれば、実施する段階で
見逃すわけがないはずです。
問題は、予定通りに進まない時に、
必要とする打開策を打ち出せるか、
に掛かっています。
例えば、
予定していた集客が思うように
行かないだったり、
予定していた売上に達しないなど
様々です。
ただ、その事実に対して批判的な意見を
言ったところで改善などされません。
それよりは、どうしたら予定している
人数を集めることができるのか?
どうしたら、予定売上を達成することが
できるのかを考えた方が効率的です。
そして、批判的な人の口癖は、
「なんで、○○なんだ」と言い、
原点を探り粗探しをしはじめるところです。
しかし、打開策にフォーカスしている人は、
「どうしたらこの状況を乗り越えられるのか」
と考え、次の一手、次の一手を生み出します。
そこに、批判的な意見など不要です。
そんな粗探しは、すべてが終わってから
暇なときにやれば済むことです。
ですので、あなたのクリアイティブな
発想に批判的な意見は邪魔になるだけです。
批判的な意見を言う人は、部屋から追い出し、
休暇を取ってもらったほうが上手くいきます。
そして、事後のことをもっともらしく
指摘するコンサルタントめいた人は山のようにいます。
しかし、それは、誰でもできることです。
それより、窮地を切り抜ける打開策を
出せる人の方が大切です。
ただ、打開策など数打てば
いつかは当たります。
ですので、どんな小さなことでも
施策を出し、現実に次々に行って下さい。
その施策の積み重ねが結果、
必ず、大きな成果を生み出します。
その為の質問は、ただ1つ。
「どうしたらこの状況を乗り越えられるのか」
こう自分に質問するよう心掛けて下さい。
塾長通信-4『しつこさ』を支えるもの
もし、あなたが成功を望むのであれば、
もっと『しつこく』なって下さい。
簡単に言えば、すぐに諦めないで欲しいのです。
多くの人は、技術がどうこうという以前に、
心にブレーキが懸かっています。
ある人の例ですが、彼は代理店開拓のために、
ダイレクトメールをやろうと決めたのです。
しかし、なかなか文章が書けませんでした。
書く内容が分からなかったわけでもなく
ダイレクトメールのやり方が
分からなかったわけでもありません。
では何が、ブレーキとなっていたのか?
それは、ダイレクトメールを行うことで
発生するだろうと思われた「クレーム」が
心にブレーキを懸けていたのです。
しかし出してみなければ、何も始まらないので、
勇気をふり絞って、封筒の束を次々に
郵便ポストに投函しました。
その結果、送った500通の内、
14社と契約できたのです。
そして、心配していたクレームは、
ゼロでした。
その方は、あとでこう言いました。
「心配して損した。こんなことなら
もっと早くやっておけばよかった」と。
だから、もし、あなたが成功を望むのであれば、
何も気にすることはありません。
批判や妬みもない人などいません。
別の有名作家は、こうも言っています。
「ネットで叩かれるようになって一流だ」と。
そうなのです。
二流は批判の対象にすらならないのです。
だから、批判されて、はじめて、
知名度が上がったと思えばいいのです。
戦略的な話になりますが、
「敵の設定」というものが、人の
購買心理に影響を与えるのです。
例えば、
サプリを売りたければ、薬を敵にすればいいのです。
他方を批判することで、自分側をよく見せるのです。
だから、批判をいちいち気にしないで下さい。
その批判は、あなたを敵に見立てた相手の手の内です。
そう思えば、批判も大歓迎じゃないですか!
ですので、
もっと、しつこく、貪欲で、そして、
鈍感で、愚かであって下さい。
塾長通信-5「言い訳に利くクスリ」
あなたは、自分に対して言い訳を
していませんか。
・お金がないから
・時間がないから
・他人が邪魔するから
などなど
しかし、それは、本当でしょうか?
例えば、
・お金がないなら、
お金がなくてもできることを、
すべて試してみましたか?
・時間がないなら、
ムダ時間を見つけ出し、少しでも削減しようと、
努力してみましたか?
・他人が邪魔して集中できないというなら、
例えばマックや図書館に行くとか、
少しでも行動しましたか?
これらすべてに言えるのは、
何らかの打開策があるにも関わらず、
あなたがそれを見つけていないだけです。
都合のいい言い訳は誰でもできます。
しかし、それでいいのでしょうか。
言い訳は、何も生み出しません。
でも今は、それを乗り越えて、
あなたが自由に使える時間を、
少しでもうみ出すことです。
第2領域の時間をはじめから
与えられている人など、どこにもいないのです。
あなたは、知恵を使って工夫し、第2領域の時間をうみ出すのです。
いえ。うみ出さなくては、ならないのです。
ピータードラッカーは、だからそうして手に入れた時間こそ、
黄金の時間だと言っているのです。
それから、もう1つ。
このメールを読まれている方は、
非常に優秀な方だと思います。
でなければ、会社から受講に必要な時間と費用を、
出してもらえるはずがないのです。
だから、少しふり返って下さい。
こうして、マーケティングで学んだことを
ビジネスの現場で活用しているかどうかを。
もし、学びを学びで終わらせているとしたら、
それは、非常にもったいないです。
この先、あなたが急成長を望むのであれば、
是非、お勧めしたい方法があります。
それは、未経験なものへの挑戦です。
例えば、FAX-DMをやったことがない方は
1回でいいので、トライして下さい。
または、勉強会講師をやったことが
ない方は是非、挑戦してみて下さい。
たしかに、最初は怖いと思います。
でも、やり終わったあと、驚く程の
成長を感じるはずです。
要するに、10回勉強をするより1回の実践で
得る事のできるものは大きいのです。
私も今でこそ色々な実績がついてきましたが、
当然、はじめは何もありませんでした。
ただ、実践し失敗したことをきっかけに、
大きく人生が変わったのです。
私がみなさん方に教えているのは、
マーケティング思考でしかありません。
つまり、WHAT TO です。
HOW TO いわゆる、ノウハウを身に付けたければ、
実践しましょう。
しかも、大いに失敗することです。
その失敗が、あなた自身のスキルを
格段に向上させることになります
塾長通信-6「完璧主義は犬も喰わない」
完璧を目指しても、まったく虚しい試みに
なってしまうものがあります。
分かりやすい例が、マニュアルです。
通常は、説明書があるのが当然で、
細かく書いた結果、分厚い辞書のようになり
読んでも分からないものばかりです。
それは、自己満足でしかありません。
しかし、「iPad」を持っている人は
分かると思いますが、「iPad」には、
そもそもマニュアルがありません。
iPadのコンセプトのひとつに
「マニュアルがなくても分かる操作性」と
いうものがあります。
結果、マニュアルを作らない代わりに、
3歳の子供でも使える商品をを
生み出しました。
今の時代は、スピードがお金を生み出します。
時間をかけて完璧を求めてはなりません。
「拙速を旨とすべき」~
孫子の名言中の名言です。
===========================
(質問)自分の経験をどのようにビジネスにするのですか?
===========================
こんな質問を頂きましたが、
大切なのはやり方ではなく、基本は、
お金に変えることをビジネスすることです。
その為の第一歩は、相手の手に入れたい願望や
悩みを聞くことです。
マーケッターはこの「訊く」⇒「聞く」を繰り返しています。
「自分の経験をビジネスにすると良い」というのは、
要するに、「訊く」こと、「聞く」ことが、
どんどん浮かんでくるから、
お薦めなのです。
上手くいっていない人は、聞くことをせずに
想像で先に商品・サービスを作ってしまうのです。
つまり、経験のない人が陥るのは、そこです。
それで売れないと嘆きますが、
そんな状況に陥ってしまうのは、
あたり前と言えばあたり前です。
お客様にとって、商品や
サービスはあまり関係ありません。
お客様は、自分の得たいものが、
手に入ればいいのです。
肝となるのは、
「短期的欲求」を把握できるかどうかです。
いかに素晴らしい内容であっても、
緊急性がないものは先延ばしにされます。
ですので、お客様の中にある
短期的欲求にアクセスします。
ただ、その際に注意することは、
お客様のメインビジネスに関連するもの
である必要があります。
なぜなら、企業の短期的欲求に、
強く働きかけるためです。
次に、敵の設定ですが、
ポイントは、その人が信じているけど
不信感を持っているものが、それに当たります。
この、お客様が信じているものを打ち砕くのが、
マーケッターの仕事ということになります。
ですから、マーケッターはその市場に
精通しているバックボーンが必要になるのです。
「自分の経験をビジネスにできる」とは、
そういう意味で、とても重要なことです。