塾長通信(9月)-34,35,36,37

塾長通信-37「ドライテストをやる時」

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メッセージは外ではなく内側へ
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それでは、市場に対してどのようにアプローチをかけるべきなのか、その方法をお伝えします。

上手くいかない人は、市場を無視して、自分でつくり出した基軸で様々な市場にアプローチを懸けてしまいます。
例えば、
・チラシをやってみたり、
・ホームページを替えてみたり、
・実店舗を構えたり、
・攻めるエリアを変えたり、
など、手を変え品を換えてメッセージを投げかけてみます。

相当数のムダ撃ちをするのですが、これらの行為には、手間と時間とコストがかかります。
ビジネスというものは、限られた時間とお金を投じて、いかにしてあなたの「認知」と「信頼」を上げられるかが勝負なのです。

それにも関わらず、チラシやHP、インターネット、新聞など様々なところに広告を出すとなると、とうぜん1つ1つの媒体にかけられる予算はわずかなものになります。
そうなると、一向に「認知」の度合いは上がっていきません。
ましてや「信頼」を得るまでには至りません。

そうではなくて、上手くいく人は、メッセージを投げかける市場を1つだけに絞るのです。
例えば、Aエリアに対して、チラシを使って展開すると決めれば、そのチラシだけに、時間とお金を注ぎ込むのです。
そして同じお客さまに対して、繰り返しメッセージを投げかけていくことで、あなたの存在が徐々に浸透し始め「認知」が上がり、やがては「信頼」を獲得できるのです。

これが『選択と集中』、つまり、『やめるを決める』ことです。

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まずは相手に聞きなさい
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多くの方は、自分の商品やサービスに情熱を持ち、それを販売しています。

なぜかというと、自分が「良い」と思ったものは、相手も「良い」と思っている、という思い込みがあるからです。

しかし、それは錯覚以外の何物でもありません。
おまけに彼らは、商品が売れないと、「こんな良い商品なのになぜ分かってくれないんだ!」と売れない理由を、お客さまのせいにしてしまうのです。

この思考でビジネスをするのは、正直相当難しいです。
なぜなら、自分が「良い」と思ったものを先に作ってしまって、それを売りに行くわけですから、その時点では、それが受け入れられるかどうかなど分かりません。

そうではなくて、発想を逆にしてください。
自分本位のものを作るのではなくて、お客様が望んでいるものを売るという発想です。
そのためには、商品を作る前にまずは、お客様に聞くことです。

釣りに例えるなら、魚が食べたい餌を針に付ければいいのです。
ビジネスもまったく同じで、お客さまが欲しい商品を提供しない限り、目に留まることはまずありません。

ですので、まずはお客様に、「どんな餌なら食べたいですか?」と聞いてみてください。
そこで、ニーズを把握し、それにマッチしたものを提供すれば、お客様はそれを買ってくれるワケです。

例えば、あなたの既存客、もしくは見込み客に「最近、何を買いましたか?」と聞いてみてください。
それが洋服であれば、どのブランドの洋服なのかまで、具体的に聞いていきます。
そこまで相手のニーズを掴めれば、あとは、そのブランドを仕入れて販売すればすぐにお金に変えられます。

ですが、相手が●●ブランドの洋服だと言っているにも関わらず、自分の一方的な思いだけでダイエットサプリとかを販売したらどうでしょうか。
相手が望んでいないにも関わらず、そのサプリメントの効能を語り、「値段を下げます」と言ったところで、相手は引いてしまい、単なる押し売りとなってしまうでしょう。

ですので、まずはそこにいるお客様に、何故それを買ったのか、他に何が入り用なのか聞いてみることです。

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テストマーケティングを行うには
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絶対に外さない商品を作る唯一の方法は、商品が売れてから作ることです。
売れてから作るので、絶対に外しません。

ですが、世間では作られて既にそこにある商品を販売するというのが常識です。
「作る前に売る」という話を理解できる方はわずかです。
しかも、存在しない商品を先に売ることは「詐欺ではないか?」とさえ思う人もいるほどです。

ですが、「作る前に売る」~これこそが正しいマーケティング戦略なのです。
この手法はマーケティング用語ではドライテストといいます。
これは、ビジネスを失敗させないための、戦略です。

では一体どのようにするのかというと、作る前にまずは1つだけ仕入れてみるのです。
「テスト商品を作る」でも結構です。

例えば、あるエリアで物流拠点を立ち上げたいのなら、まずは、300坪くらいの在庫保管をする小さい仕事を獲得します。
そしたら、そのエリアで300坪の貸倉庫のスペースを借り上げて、その物流の仕事をはじめてみます。
そして一杯になったら、次は500坪に増やす~そこでそれも一杯になったら、次は1,000坪を借り上げて売るのです。

もちろん、この時点では借り入れの坪数が少ないので利益は大して見込めないかもしれませんが、このフェーズで大切なのは利益を出すことではなく、「このエリアでも売れるという確信」を持つことなのです。
その上で、徐々に規模を拡大させてきます。

そうすると仕入れる量が増えるので、とうぜん原価を抑えることができ、利益率をグンと上げることができます。
そして、その後も販売が進み、保管量、入出庫数量、輸配送物量が増えるようになったら、さらに大きな利益を確保することができるのです。
物流ビジネスというのはそんな感じで、どんどん雪だるま式に拡大させることができます。

また、このような手順で進めていけば、何1つ売れなかった場合でも、貸倉庫の契約をそこでストップしてしまえば、よいわけです。
それで、痛手を最小限に抑えて、また違うエリアでビジネスにチャレンジするのです。

私は前職で、都内のクロスドッキング拠点をおよそ3年ごとに、移していきました。
葛飾区奥戸、足立区千住、江東区深川、平和島と渡り歩いた末に、最終的に埼玉県川口市になりました。
(在職中はそこまでで、あれから10数年経過しているので、現在はどこにあるかは不明です)

拠点をあちこち移転させながら、当たるビジネスや市場を探ることをマーケティングの使命としていたからです。

ですが、この「売ってから作る」という順番を逆にしたらどうでしょうか。
商売できるかどうかも分からない倉庫を大量に借り、もし1坪も売れなかった時のことを想像してください。
その先には悲惨な結果しか待っていません。


塾長通信-36「車輪をどうやって廻しはじめるか?」

今でこそマーケティングという言葉をよく耳にするようになりましたが、あえてマーケティングとは何か、と聞かれると実際よく分からない方が多いのではないでしょうか。
そこでまずは、マーケティングとはどういうものなのか、考えていきましょう。

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出会いの場をつくる
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マーケティングとは、簡単にいうと、お客さまとあなたを結ぶまでの活動のことを指します。
具体的には、お客さまと出会うまでの様々な活動をマーケティングと言い、出会ったあとそれを受注に繋げていくのがセールスだということになります。

ですが、多くのビジネスマンがこの概念がないばかりに
・ いい商品を作れば売れるはず
・ 品質をあげれば、それだけ商品が売れるはず
という具合に商品にしか意識がいっていません。
全ての矢印が自社の商品に向けられているのです。

私はこれを、”プロダクトアウト”と言って蔑視しています。
相手の興味関心を奪う行為だからです。

豊かな日本において「良い商品」はもはや当たり前で、商品の品質だけで勝負するのは不可能です。

その証拠に100円ショップに行けば、きれいでしっかりとした素材で作られた商品が並んでいます。
しかも、ラインナップも豊富で、100円ショップだけで生活必需品は事足りてしまうほどです。

ですので、今の時代「品質が良い」という優位性は、100均商品よりどこが優れているかを探っているに過ぎません。
つまり、商品の品質だけを見れば、競合他社も自社商品も50歩100歩なので、そんなところにこだわりと情熱を持ってビジネスを展開したところで、上昇気流には乗れません。

そうではなくて、視点を変えて、
・お客さまが何にお金を払いたがっているのか?
・どんなお客さまがあなたの商品にお金を支払うのか?
というお客さま視点に立って、商品をはじめ、ビジネス全体を設計する必要があるのです。

そのためにも、まずは、
・お客さまはどんな悩みを解消したいのか?
・どんな願望を達成したいのか?
という部分を押さえることから始まります。

そしてその悩み解消や願望達成のツールとして商品を作り、提供してあげれば、それがお客さまとの出会いの場に繋がるわけです。

ですが、先ほど挙げたように、お客さまのことを無視して、商品ばかりにフォーカスしていると、それを必要としている人がいるのかどうか分からないので、無理矢理売り込む必要があります。
そうなると安売り合戦がはじまり、ビジネスが行き詰まるのです。

ですので、商品基軸ではなくて、まずお客さまが得たい願望や解消したい悩みを把握することから始めてください。

それさえ分かってしまえば、あとはそれを達成する商品や手段を用意してあげれば良いのです。
このようにしてビジネスを設計することです。
そうしてはじめて、ビジネスをどんどん成長させることができるのです。

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ビジネスを構成する2つの要素
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次に、ビジネス立ち上げにおいて、最も大切なものは「認知」と「信頼」です。
ですが、果たしてどれだけのビジネスマンがこの本質を理解できているかは疑問です。

「認知」と「信頼」がなぜ大切なのかというと、この2つが無い状態とは、例えるなら誰もいない無人島でビジネスを始めるようなものです。
つまり買い手が全くいない状況ということです。
これでは、いくら良い商品を作ったとしても、売り様がありません。

逆に、「認知」と「信頼」を底上げして行けば、あとは勝手にあなたの商品やサービスが市場に浸透していき、それに比例して売上も上がっていくのです。

ですが多くの人が、この「認知」と「信頼」の大切さを分かっていないのも確かです。
そんな彼らの口癖はいつも
「新しい市場はどこにあるのか?」
「まだ誰も知らない商品はないか?」
「どこかいいお客さんを紹介してくれないか?」
なのです。

つまり彼らは「まだ誰も手をつけていないビジネス」こそが、成功の鍵だと勘違いしているのです。
この「誰も手をつけていないビジネス」とは、言い換えるなら競合他社が存在しない未開拓の市場を指し、この未開拓市場に参入することがビジネスの常套手段かのように考えているのです。
この考えを”ブルーオーシャン戦略”といいますが、とても危険です。

では、そもそも、なぜ誰もいない市場で成功することが難しいのか。

その理由は、その市場に顧客がないからであり、そして顧客を一から作るには、とてつもない資金と時間、労力が必要になるからです。

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あなたが参入すべき市場は?
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ですので、あなたがビジネスを立ち上げる際は、誰も手をつけていない市場ではなく、ライバルがいる市場に入らなければなりません。

それはすでに商品が「認知」され、その商品を買う人がいるからです。
逆説的ですが、強烈なライバルがいる市場、ライバルが占有している市場に、打って出ることです。

その上で、あなた自身の「信頼」を勝ち得ながら、さらにあなたの商品やサービスの「認知」を広げていくことができれば、商品が売れないということはありません。

ところが、ほとんどの人は、1つの商品に対して市場は1つしかない、そう思い込んでいます。
ですが真実は、商品が1つであっても市場はたくさん存在しているということです。

たとえば、掃除機を買う場合は、 通信販売や店頭販売、そのほかにインターネットなど様々な購入手段が存在しています。
なぜこれほどまでに購入手段が多様化しているのかというと、通信販売で買うお客さまと、店頭販売で購入するお客さま、そしてインターネットで購入するお客さまの属性は、それぞれ違うからです。

(1)通信販売は、たとえばテレビ通販の場合なら、テレビの前に座って指定された商品を見るだけで触ることもできませんし、他商品と比べることもできませ ん。
その代わり、電話一本で家まで届けてくれます。

ここで購入するお客さまは、その商品を事細かに伝えてくれる説明を聞きながら、自分の生活がどのように変わるのかをイメージすることを楽しんでいるのです。
そして、それがどこにも出かけず電話一本で手に入れられるところに魅力を感じています。

(2)店頭販売では、他のメーカーと比べることができ、触ることができ、その中で気に入ったものを、その日のうちに持ち帰ることができます。
だから、商品を手に取りながら取捨選択を楽しみたい人にとっては、体験も踏まえながらショッピングを楽しむことができるのです。

(3)インターネット販売では、同じ商品の様々なバリエーションをチョイスすることができます。
・サイズ
・色
・型式
・グレード
その中から商品を選んでいこうとするお客さま層があります。

このように、商品は1つであっても、市場は多岐に分かれていて、その市場の大きさも大小様々です。
つまり、商品は同じであっても、市場(販路)ごとで、満たしている願望や解決しているフラストレーションの種類が全く異なります。

あとは、自分がどこの市場で戦うことができるかを見極めて、その市場にこっそり入っていくだけです。


塾長通信-35「人に聞かせるだけの話とは」

あなたは情熱ある思いで、顧客との対応に従事していると思います。
そして、その思い入れも強く、できるだけ多くの人に自社商品サービスの良さが伝わって欲しいとも願っているはずです。

しかし、その思いが強ければ強いほど、顧客の興味レベルは下り気味で「この話いつ終わるなのかな」と考えられてしまうようになります。
これでは、あなたの情熱ある商品サービスが売れるはずもなく、むしろ、その情熱があることで、マイナスの空回りをしているのです。

とは言え、私はその情熱を「なくせ」と言っているわけではなく、相手の受け入れる”耳”をどうやって構築するかの方が大切だと言いたいのです。

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食い入るように話を聞かせるコツ
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例えば、自分の子どもがいじめにあっているという人が聞き手の場合、
・そういう経験のある人が実体験を話してくれる
・その解決法を話してくれる
・解決法を試して出た他の人の結果を話してくれる
ならばどうでしょう?

おそらく、その聞き手は、
・もう少し話が聞きたい
・質問がしたい
・連絡先を交換したい
となるでしょう。

つまり、あなたが相手の人に、
・同じ悩みを抱えているんですよ
・同じ苦しみの経験があるますよ
・それを克服するためにいろんなことをしましたよ
というのを聞き手に伝えてたらどうでしょう。

話し方・話のうまさという形はどうでも良く、その世界に引きずり込まれるはずです。

あなたという目の前の人が自分にとって、今日までの自分というばかりでなく、”希望の光”かもしれない。
と、そういう人の話なら、食い入るように話を聞くことでしょう。

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美容院さんの事例
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例えばですが、
A・上手くいかない美容院は、いろんな髪型をカタログで見せている。
B・しかし、上手くいっている美容院は、同じ髪型の人を5人のモデルにやらせている。

この違いは分かりますか?

前者のAは、美容師が自分の腕の上手さを誇示するだけで、心に響かないのです。
カタログを見ている読者・女性は、けっして美容師の技術を比べている訳ではないのです。

自分がどれだけ、美しくなれるか or 可愛い or カッコ良くしてもらえるか。
それを追い求めているのです。
あるいは、売れっ子女優さんの髪型に自分を投影しているのです。

だから、いろんな顔をしたモデルが、その女優さんの髪型でどう映るのかを比較検討できる、Bの後者の方が、読者を夢中にさせるのです。
なぜなら、耳の位置とか、あご先の形とか、目の瞳の大きさとかって十人十色です。
そのパーツの異なる5人のモデルさんで、チェックしているのです。
そこに、自分を見るからです。

つまり、Bさんのカタログには、読者の願望を叶えよう、とする与える心・愛があるのです。
それを提供することが、真のマーケティングなのです。

メッセージは、伝えて終わりではないのです。
それが活かせるか、実践できるか。
顧客の脳裏でそれが再現できるかです。

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自分の才能の見つけ方
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マーケティングをやるには、そういう才能が必要なのかと問われますが、マーケティングの才能なんてあるんでしょうか?
そもそも、才能を見つけられる人など、世の中に一人もいないのではないでしょうか。

確かに女性は、自分に好きなものを仕事にしようとします。
ですが、男性はそれで稼げれば、それを仕事にしてしまうことができるのです。

例えば、アマゾンの創始者で。現在資産金額で世界トップのジェフ・ベゾスは、
・本当にアマゾンのビジネスが向いているのか?
・ベゾスの才能にピッタリ合っているのか?
彼自身、どうかは分かっていなくてスタートしたでしょう。

自伝にかれは30歳になった1994年に、「今、何かインターネットビジネスを何かやらないと、自分はきっと後悔するだろう」という思いから、起業したと言っています。

でも、彼はそれから26年もアマゾンという事業をやってきて、それで大金持ちになった訳ですから、
・彼に合っているかどうか
・彼に才能があったかどうか
なんてことは実際、どうでもいいことです。

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好きか嫌いかどうかも、分からない
その分野に才能があるかどうかも関係ない
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私も小さい頃にピアノを習っていました。
しかも15歳まで習っていました。
じゃあ、それで喰っているのかどうかというと、ぜんぜん違います。

・才能かどうかではない、お金をもらうことができたかどうか
・それで認められたかどうか
・今まで長くやってきたものは何か
・1円でも稼いだかどうか

私は物流業界という狭いフィールドで生きてきました。
しかも、トラックの運転手になろうと思っていたのに、セールス・マーケティングが食べる糧でした。

そもそも、そうした才能があったかというと、ノーです。
才能なんてまったく無かったし、だいいちセールスなんて向いていなかった。
やっててぜんぜん、面白くなかった。

ただ、お金が稼げたのは事実です。
自慢じゃないですが、出せた売上・利益は半端ないものでした。

それで会社には喜ばれたし、お客さんには感謝された。
自分は何をやってもダメ人間だったけれども、結果は残せた。

いじめのカウンセラーさんも、
ジェフ・ベゾスも、
美容院経営のBさんも、
そして私も、
共通しているのは、そこで長年やってきたということです。

エヴァンゲリオンの碇シンジ君ではないが、「ここで生きていってもいいのかな」というふうに自分の生きる場所を見つけたのです。


塾長通信-34「汚いお店が潰れない理由」

こんにちは、江島です。

あなたは、戦略には大きく分けて「3つの戦略」があるということを、ご存知ですか?

1・創造戦略
新しいものを常に生み出し、イノベーションを起こす会社
(例)個性溢れる各部屋が異なる、レゴランドホテル

2・効率戦略
徹底効率を行い、限界ギリギリの価格を値付けし、最低限のサービスしか行わない会社
(例)価格重視の均一化された、ホリーデーインホテル

3・顧客戦略
お客様は神様をモットーとし、置き傘を置くような徹底したサービスを行う会社
(例)サービス重視の、ハイアットホテル

このように、この3つの戦略はまったく違うわけですが、どれが正解でどれが間違いではありません。
大切なのは、どれを選ぶかであって、いいとこ取りすることではないということです。

例えば、効率戦略を行なっているのに置き傘をするようなサービスをすれば、採算があわず経営に支障をきたす、ということです。

ですので、1つ選んだのであれば、他がいいからといって途中でよそ見をしない~
~これが、企業戦略のあり方です。

ですから忘れてはいけないのは、
・戦略には3つの種類があるということ
・自分がどれか1つを選択し、それを守り続けること
がビジネスを継続的に勝ち抜く秘訣だということです。

そうすれば、どんなにお店が汚くても、潰れることはありません。

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安い価格は客を卑下する
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さて、あなたは商品サービスに高額を設定するのは、
1・悪いことだとし罪悪感を感じますか?
2・堂々と胸を張り高額を提示することはできますか?

大半の人は、高額を要求するのは悪いことという洗脳を受けているため、高額をつけるのは抵抗があるかもしれません。

ただし、そもそも価格というのは、お客様が感じる願望を叶える値段でもあるのです。
ということは、あなたが単に価格を安くするということは、むしろお客様にとって失礼なことなのです。

つまり、価格というのは、本来あなたが決めるものではないということです。
あなたがお客様にとって夢を叶える道先案内人であるのであれば、安い金額を設定してはなりません。

ですので、あなたの主観や思い込みで価格を決めるのではなく、お客様が得たいと希望している結果に対して価格決めをするようにしてください。

もっと言うと、お客様なんてひとり居れば、充分です。
その人が価格以上の価値を見てくれているなら。

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最低最悪な事態=将来の大金
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ところで、あなたは今、最低最悪な状態ですか?
だとしたら、今こそ躍進ポイントだと言えます。

ダメな人間はこのような最低最悪な状態だと、周りにする言い訳を考えます。
ですが、成功する人は、将来お金に変える「未来に語る物語を考えます」。

これは、比べれば明白ですが、
1・親の遺産を引き付き起業したらさらに儲かりました。という人と、
2・借金を抱えお店の家賃も払えず周囲の人に迷惑をかけていた人が、マーケティングを学び、なけなしのお金で打った広告で少し儲かった、という人と
どちらに興味を抱くでしょうか?

私は後者です。おそらく、多くの人がそうです。
ということは悲惨な度合いが大きければ大きいほど、共感する人がいるということです。

もっと言うと、大半の人が成功することができないのは、悲惨を味わっていないからです。
だから、共感されるストーリーを語ることができないのです。

しかし映画を見ても分かるようにはじめから成功している話など1つもありません。
これは、「神話の法則」と言って映画がヒットする背景には、必ずどん底から成功につながる1本のパターンがあります。

多くの人は、この悲惨話がないから、成功することができないといっても過言ではありません。
なぜなら、いい話など誰も聞きたくありません。

ダメでどん底で、バカだアホだと言われた人が、苦労しながらも成功していく。
それだから、興味深いのです。

もう、分かったでしょう?
成功に欠かせないのが、悲惨話です。
汚いお店が潰れない理由です。

お店が汚くても、
・店主に苦労した過去がある
・熱心なファンが日参してくる
・SNSで取り上げられ、話題になっている

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物流マーケティング塾・塾長 江島裕
〒113-0021 東京都文京区本駒込6-3-24
YAMATOMURA Green Terrace C02号
 TEL 090-3216-9648 FAX 020-4622-8817 
E-Mail: info@logivision.biz
URL: http://logivision.biz/
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塾生向けメッセージ(9月分)-33,34,35,36

メッセージ-36「成約を上げる7つの質問」

あなたは、営業は好きですか?

私は正直、それほど好きではありません。
というか、苦手です。
営業をしたくないから、マーケティングを覚えました。

ただ、そうは言っても、最後にセールスをしなければ、商品を売ることができません。
そこで今回は営業嫌いな方でも、”売れてしまう営業法を伝授します。
ぜひ、お役立てください。

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基本は質問をすること
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見込み客には2つの種類がいます。

(A)1つは、市場内の見込み客。つまり市場の商品を買ったことがある人
(B)そして、もう1つは、市場外の見込み客。つまり、市場の商品をまだ買ってない人

同じ見込み客でも、これら2者~「市場内」と「市場外」とでは、抱える悩みや関心事も異なります。
当然、営業トークも変える必要があります。

そのことを無視し、一緒くたに営業トークを行っても、成約が取れることはありません。

ということで、この2つの営業トークの違いについて述べます。

まず、商談前に聞かなければいけないことがあります。
この質問を行うことで、どちらに属しているのかが分かるというわけです。

その質問とは、分かりやすく説明するために、事例として、物流コンサルをミドルエンド商品にしてその可能性を探ることにします。
で、フロントエンド商品であるセミナーに参加していただいた後に、個別面談を行うというシチュエーションを想定してみましょう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

<質問1>
この度は、セミナーにご参加いただきありがとうございます。
こういったセミナーにはよく参加されるのですか?

<質問2>
ちなみに、コンサルとかって過去に受けられた経験はありますか?

この質問をすることで、市場内の人なのか、市場外の人なのかが分かるのです。

見込み客というのは、
(1)結果に対しお金を払った経験のある人、あるいは
(2)競合他社のお客様
です。
つまり、上記の2つの質問をすることで、どちらの方の見込み客に該当しているかが浮き彫りになります。

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市場内の人に対するアプローチ
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市場内の人ならば、 物流コンサルを受けたことのある人なので、これまでの取り組みを聞きます。

<質問3>
どんな取り組みをされてきましたか?

<質問4>
それは上手くいきましたか?

これで、その見込み客が抱えるフラストレーションが分かるのです。
あとは、そのフラストレーション元でもある「敵」を叩くトークをすればいいだけです。

なぜ、その取り組みが上手くいかないのかを教えてあげれば、敵を叩けます。

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市場外の人に対するアプローチ
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市場外の人ということは、物流コンサルを受けるということに対し、不安だったり恐怖を持っている人です。
ということならば、ここでは夢を語ります。

物流コンサルをやってもらうと、こんな未来が待っているという夢を語り、不安を消してあげます。

ただ、不安を消しても100%なくなることはないので、小額で構いませんので、物流コンサルを実際に体験してもらうことです。

ここでも同じく、

<質問3>
どんな取り組みをされてきましたか?

<質問4>
それは上手くいっていますか?

を聞きます。
物流コンサルを使わずに、
・どんな取り組みをしたのか
・それで結果がどうだったのか
・それをどう感じているのか
ということを訊き出すのです。

ただ、市場内の人にたいするものと異なるのは、その相手=見込み客を攻撃してはいけません。
必ず、参考本とか本の著者とか、あるいは業界にある一般論を「敵」にします。

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共通のアプローチ
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<質問5>
コンサルに興味ありますか?

<質問6>
それは、なぜですか?

この質問をすれば、相手=見込み客は勝手に、自分の頭の中で自分を説得し始め、自己を洗脳をし始めます。

この間は、あなたは口を挟んではいけません。
挟んだ瞬間、自己洗脳は途切れてしまいます。

そして、最後の決め台詞はこうです。

<質問7>
今後は、どうされますか?

この質問を見てわかるように、個別相談という名ではあるのですが、実際は、相談に親切にのることではありません。
「敵」を叩き、自己を洗脳する機会を設けることです。

ここでやってなイケないことは、親切にすべてを回答してしまうことです。
「親切な」「いい人」で終わります。

でも、それでは、情報を提供したに過ぎません。
相手=見込み客が、本当に”変わる”には、何か「行動」しなければ変わりません。

もし、あなたが、本気でお客様を救いたいのであれば、契約を勝ち取り、お金を貰いながらアドバイスすることです。

この信頼関係の上に、やっと、バックエンド商品が売れるのです。

・・・・・・・・・

今回、こういう風にまとめていて思ったのは、

・フロントエンド商品:セミナーと個別相談

・ミドルエンド商品:簡易な物流コンサル

・バックエンド商品:自社で本当に売りたいもの

の流れが、スムースかなと思います。

マーケティングからセールスへの導線として、これは無敵パターンではないでしょうか。
ぜひ、ご検討ください。


メッセージ-35「解決策を探している人を狙え」

あなたは何かに対し悩んでいる人が、お客様になると勘違いしていませんか?

確かに集客という活動は、悩みをお持ちの方にメッセージを伝えて、共感を得、信頼を確立するからできるものです。
でも、お客様にはならないのです。

そう。
それで集客しても、お客様になるのは、わずか1%。
99%の人たちは、離れていきます。

思い出してください。
あなたは、今何かに困っていますか?
例えば、夜眠れないだったり、最近、体がだるいといった具合です。

でも、どうなんでしょう。
それらの悩みに対しお金を払ってまで、解決したいと感じていますか?
おそらく「NO」だと思います。

何故なら、私自身がもっと寝たいのに眠れていません。
併せて、右腕の神経痛に悩まされています。
それでも、医者に行ったりはしません。

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マーケティングの仕事
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それなのに、自分が売る側になると、困ってさえいればお客様になると考えてしまうのです。

しかし説明したように、悩んでいるというだけでは、お客様にはなりません。
では、どういった人を狙って行く必要があるのか?

それは、すでに解決策を求め、探しはじめている人です。

ここでのポイントは、「解決策を求め、探しはじめている」ということです。
それも、自らの意思で。

では、この人達に、無理くり売り込む必要はあるでしょうか?

もちろん、必要ありません。
なぜなら、解決策を提示し待っていれば、勝手に相手の方からやってきて買ってくれるからです。

しかし、売れない人は、自ら出向くことを考えてしまいます。
しかも、お金を払う気もない人にです。
これでは、売れなくて当然です。

だから、あなたがやらなくてはいけないのは、悩んでいる人に売り込むことではなく、すでに解決策を求め探している人に、アプローチすることです。

その為に、あなたがやることは、ただ1つ。

まずは、見込み客を把握し、「ここに解決策がありますよ」と見込み客に示すだけです。

この”見込み客を把握”というところが、”市場を決める”という重要な作業ですが、それだけで、あなたの商品は売り込むことなく勝手に売れてしまいます。

そうです。
勝手に「売れてしまう」のです。

これが、解決策を探している人を狙うということです。

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ようするに市場なのだ
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あなたは、これからハンバーガー屋さんを経営するとします。

その際、神様が1つだけ、あなたの望みを叶えてくれるととしたら何を望むでしょうか。

・肉や野菜などの良質な素材でしょうか?
・接客レベルが高いスタッフでしょうか?
・拘った内装の店舗でしょうか?

・・・・・・・・・・・・・・・

上記は、ある高名なマーケッターの問題提起です。
その人自らが出している答えは以下の通りです。

それは、「腹ぺこなお客さんがどこにいるのかを知ること」、なのだそうです。

前章の通り、”市場”のことですね。

今すぐ腹ぺこで死にそうな人に、素材のこだわりを伝える必要があるでしょうか?
おそらく、説明などいいから早く食べさせろと怒られます。

では、その人に、丁寧な接客は必要でしょうか?
こちらも同様に、イライラさせてしまうだけですね。

では、なぜ素材のこだわりや丁寧な接客が通用しないのか?

もちろん、これらは、大切です。
しかし、それは、あなたの拘りであって、お客様には関係ありません。

なぜなら、お客様の第一の欲求は、腹ぺこのお腹を今すぐ満たしたいということだからです。
プロダクトアウトではない、マーケットインなのです。

このように、腹ぺこのお客様さえ見つけてしまえば、
・味の割には価格が多少高くても
・接客するスタッフの対応が多少悪くても
お客様は店頭に並ぶのです。

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起こるであろう2つの恐ろしいこと
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しかし、上手くいかない人は、この発想がまったくありません。
素材に拘り、接客を教育し、快適な空間を提供すれば、お客様が来ると信じている。

ところがその結果は、1年経たずして継続不要となり、閉店してしまうのです。
これでは、何のために何年も修行し念願のお店を開いたのか分かりません。

しかしこの誤ったマインドセットでは、どの業種も同じ結果になるだけです。

ただ、あなたが、どうしてもその素材等のこだわりを伝えたいというのであれば、こだわる前に、今すぐお金を払う腹ぺこ客だけを狙うことです。

その大前提を抑えた上で、あなたのこだわりを伝えても遅くはありません。

逆に、そうしたら、どうなるか。
そうしたら、恐ろしいほど、ブレークします。
間違いありません。


メッセージ-34「勝利の数式に『自社』を入れてはならない」

あなたは、「藻」をご存知ですか?
海の中にある緑色をした海藻(?)です。
この藻というのは、非常に面白い性質をしています。

限られた水槽などの空間に藻を移動すると、水槽の中にいる間は、ドンドン増殖するのですが、一歩水槽の外に出た瞬間、状況は一転し、「全滅」してしまうのです。

このように、生物というのは、大半の場合、生息できる場が決まっています。

そして、その環境から一歩出てしまうと、死を迎えることすらあるのです。

これは、人間も同じです。

誰しも得意分野というものがあり、それに出会えた人は努力とは無縁に、成功する確率が格段に上がります。
ところが、得意でもない分野に従事してしまうと、その不幸から脱するのは容易ではありません。

私が会社に勤めてはじめて間もなく、現場作業で入ったのに、副社長から「君は営業部に転属だ」といわれました。

その時は「辞めよう」と思い、しばらく逃げ隠れしていましたが、私の上司という人が私を尋ねて、わざわざ事業所まで来たのです。

そして「よし行こう」と車に乗せられていった先は、本社ではなく、ある他社の倉庫でした。

そこで降ろされて、「この倉庫にいる会社が近々移転するということだ。ちょっと話を聞いてきてくれ。自分は他に用事があるから」とどこかに行ってしまったのです。

手元には私の名前が入った名刺の箱が残されていました。

ただ、これが自分に向いている、得意分野だとすぐに分かるほど、ビジネス社会は甘くありません。

私はそれ以降も、営業という仕事は自分には向いていないと感じて、何度か「会社を辞めたい」という思いにかられました。
そして、やっとそれを実行したのは、25年も後のことです。

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情熱
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ふだんはまったくやる気のない営業マンでしたが、時折り情熱だけは異様に燃え上がりました。

いつの間にか、没頭しているのです。

・提案書作成している時
・プレゼンテーションをしている時
・調査の旅
昼夜違わず没頭しました。

逆に人から紹介された案件、儲け話ありきのビジネスネタを聞かされても、それを掘り起こす気にはなりませんでした。

なぜなら、そこには、労苦がないからです。
ビジネスというものは、思い悩んで始めて信用のおける人物と評され、労苦を積み重ねてやっと信頼を構築できるものです。

ブランドなんかもそういう類でしょう。
あのシャネルをつくった、ココ・シャネルという人はもともと、孤児院で育ちました。
そこで先輩の修道女から針仕事を教わり、それが食べていく糧だったんだそうです。
そういう泥臭い仕事が、ベースにあってこそブランドを形成するまでに至るのです。

そういえばパットン将軍も、部品さえあればひとり戦車が組立てられるくらいの、戦車マニアでしたねぇ。

1・自分が情熱を傾けてやっていることがいったい何なのか
2・そして、そういうモノに没頭する時間が取れているか
それがカギかと思います。

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リソース
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次は、あなたがすでに持っているリソースについてです。

これは、言い換えれば「条件」とも言えます。

・スキル
・経験&実績
・人脈
などです。

私にあった最大のリソース、それは、そんな私に自由と気ままを与えてくれた、会社です。
どれほど、感謝してもし切れません。
今思えば、だから25年もいついたのでしょう。

それから、マスターマインドに恵まれたのも、大きいです。

もし、あなたがやりたいことに対し、経験やスキルがなければ、それが出来る人&それを持っている人を、探し、お願いすればいいだけです。

そういう人を知っているというのも、1つのリソースと言えます。

でも最大のリソースは顧客リストです。
あるいは、ビジネスマンなら、名刺です。

1・顧客リストが何件あるのか
2・名刺を何枚持っているか
そして、忘れてはならない要素は、
3・それをかき混ぜて、濃いリストにしているか
ということに尽きます。

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市場
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そして、3つめが市場です。

言い換えれば、「お金を払う人がいるかどうか」です。

これがなければ、どんなに情熱があり、それを叶えるリソースを持っていたとしても、ビジネスにはなりません。

その目安の1つが、「競合他社」です。
ようするに、市場とは、「競合他社×見込み客」の数です。

よく、住宅設備メーカーI社の話を出しますが、あの時の拡販モデルは、この「市場」というコンセプトを打ち出したものです。

私は20歳の頃、というか学校をやめてまもなく、今でいう引きこもりになりました。
近くにあった花小金井図書館と安アパートを、行ったり来たりするだけの毎日です。

お金もなく、何もやる気にもなれず、無為な日々を送っていました。
ファミコンがあれば、おそらくそればかりやって引きこもっていたでしょう。

その場末の図書館で私は、『孫子』に出会います。
その虜にもなりました。
受験勉強のたまものなのか、漢文が読めるという素養もあったので、中国戦国時代ものに触れたのです。

営業セールスが仕事となってI社の取組みを通じて、競合他社=市場という概念はすぐに完成しました。

マーケティングはむしろ、「敵」を見つけることだとも。

たまに、競合がいないから独占できると、ブルーオーシャンを語る人がいますが、どうなんでしょう。

ブルーオーシャンには小魚一匹棲んでいないのではないでしょうか。

よく観察すればわかることですが、大手企業ですらよほどのことがない限り、競合ゼロの市場に入るようなバカなことはしません。

なぜなら、それだけ市場を生み出すことが大変だと知っているからです。

そのため、無謀な零細企業に市場テストをさせ、そこが儲ると判断した後、一気に資本を投入してくるのです。

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情熱×リソース×市場
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この「3つの要素」が交差した瞬間、努力することなく成功するのです。
まことに不思議なものです。

最後に大事なことを伝えます。
上の数式に出てこないもののことです。

気づいた人もいるかと思います。
それは、『自社』です。
数式に『自社』は出てこないのです。

自社にこだわるのは、会社が上手く回り始めたとたんに陥る罠でもあります。

もし、あなたが「どうもやる気が出ない」と行き詰まりを感じているとしたら、『自社』を入れている可能性があります。

『自社』という数値は、『0:ゼロ』なのです。
『自社』を上の数式に掛け算していないかどうかを、チェックしてください。


メッセージ-33「エゴを満たす提案を生み出せ」

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優越感(エゴ)をくすぐる
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あなたが扱う商品は、
低単価ですか?
それとも、高単価ですか?

もし、今後、高額商品を扱いたいと考えていたり、今よりもっと値段を上げていきたいと望むのであれば、人間のもつ「エゴ」にもっとフォーカスすることです。

世の中にある高単価の商品やサービスは、原価に比べて提供価格がとても高いことに気づきます。

例えば、飛行機のファーストクラス、シャネルのスーツ、ホテルのスイートルームなどを利用する、熱烈なファンはエゴを満たす優越感や特別感が、癖となりリピートしているのです。
つまり、お客様というのは商品そのものに、価値を感じているわけではないということでもあります。

例えば、私の知人の飲食店のケースでいえば、顧客のエゴに着目すると、不況期であってもその打開策は見えてくると言っています。

それは”惚れる ”世界の演出です。

では、そこの常連さんは何に惚れたのか。
美味しい食事?
落ち着く雰囲気?
奇麗な女将さん?

いろいろあるのでしょうが、知人はその施策として、常連さん専用の名前入りのお箸を用意したのです。
おそらく、ふつうのお客さんが使う割り箸を横目に、優越感で満たされるのです。

そして、このような特別なことをされると、自慢したくなるのが人間です。

実際、その箸を自慢したいばかりに、部下や友人をお店に連れてきてくれるようになるのです。
箸など原価で言えば、いくらでもありません。

ですので、新規を増やしたければ、チラシやホームページに頼るのではなく、そもそも常連さんとの間に存在している”信頼”を活用できないかと考えることなのです。
コツは、常連さんの「優越感(エゴ)」をくすぐることです。

・ANAのラウンジでの食べ放題
・シャネルの数量限定販売
・リッツカールトンでの、チェックイン不要

私は未体験ゾーンですが、興味大ですね!

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お客様は商品に関心がない
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サイトや広告は「商品を買って下さい」という内容が満載です。
・商品名がデカデカと出ていたり
・事業所の大きな写真が出ていたり

しかし、これは自分でお客様を排除しているのと同じなのです。

こうしたメッセージを発信した段階で、「今すぐ買う人」以外を、切り捨てていることになります。
くり返しますが、これは見込み客の排除行為です。

お客様には、段階があります。
1.何かに悩み(ジレンマの発覚)
2.解決策を調べ(原因の特定)
3.その解決策になるものをピックアップ(様々な手法を知る)
4.その中でもよさそうなものを候補化(手法の絞り込み)
5.より具体的に解決出来そうなところをチェック(今すぐ客の候補)

このように、段階と流れがありますが、この5にたどり着けている人にしか、アプローチしないということです。
調査によると、そこにたどり着くのは、全体の1%とのこと。
マーケッターが1~4は無視しているのと同じ。
というか、そういう人をマーケッターと呼べるかというのもありますが・・

しかし、マーケッターにそんな気はない。
商品を見せれば、1~4の人にも知ってもらえると考えます。

しかし、そんなことはありません。
人間は、自分が意識した事しか目につかないのです。
その解決策が「目の前」にあったとしても。

お客様は、いい商品が欲しいのではなく、自分の望みや悩みを解決するものが欲しいだけだからです。

もう一度、そのことを見直してください。

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お客様をファン化させる視点
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要するに最大の過ちは、マーケッターが、商品やサービスを売ってお金をもらっていると、勘違いしている点です。

それは、お金と交換しているものが、あくまで商品やサービスというだけなのです。
本質は、商品やサービスにはなく、
・願望を満たしてくれるという価値、あるいは
・悩みを解消してくれるという価値
の交換を行った結果、お金が入ってきているにすぎません。

ここを見失うと、常に原価を意識するようになるだけで、その原価から価格を割り出す人間計算機となり下がるだけです。

ただ、考えてみてください。

高級サービスは、そもそも原価などかかっていないものが多いと思いませんか?
例えば、高級レストラン。
もちろん、食材や建物には、お金はかかっていますが、それ以上に、スタッフの対応がきめ細かいことに気づきます。

受付けをおえると席に案内され、椅子を引いてくれる。
この ”椅子引き ”にどれだけお金がかかっているのでしょうか?

リッツカールトンホテルでは、トイレの場所を聞かれたら行き先を答えるだけではなく、トイレの入口まで誘導してくれます。

これも、どうでしょうか?
お金はかかっていません。

このように、お金をかけずとも提供する価値をあげることはできます。

ただ、ここのポイントは、人のエゴを満たしているということです。
このエゴを満たすことで、口コミや紹介を発生させることもできます。

もし、あなたが常連客に対し、一般客と同じ扱いをしていたら非常に損をしています。

なぜなら、常連客は、あなたのことが大好きだからです。
商品だけでなく、スタッフや環境にまで価値を感じているのです。

そして、その価値を感じている人は、無償であなたに協力してくれるようになります。

例えば、あなたが忙しい時は、お客さんで来ているにも拘らず、スタッフの代わりに片づけを手伝ってくれます。

給料を払うことなく営業マンとしてお店を宣伝してくれます。
これは、お店にお金を落とす以上の価値を与えてくれています。

ただ、これは冒頭でも言いましたが、商品に対しお金を払っているのではありません。
価値と価値を交換した結果、このような行動に結びついたということです。

そして、この部分を見失わなければ、お客様は常にあなたの見方となります。
しかし、商品とお金だけを交換している間はファン化することはありません。

もし、あなたがお客様を味方に付けたければ、商品の先にあるお客様が感じる価値をつかむことです。

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物流マーケティング塾
塾長 江島裕
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